新型コロナウィルス対策の各種助成金って?
政府は4月7日の臨時閣議で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策を決定いたしました。その中には各メディアで報道されております、30万円の給付金をはじめ各種の施策が盛り込まれておりますが、誰が対象となっており、どのような要件でいくらの助成を受けることができるのかが分かりにくいため、以下にまとめてみました。2020年度の補正予算の成立を前提としているものもあり、また今後の状況により内容や受付窓口は随時変更となる可能性がありますが、ご参考にしていただければ幸いです。手続きをすると支払いを猶予してくれるものもあるため、そちらもご紹介しております。事業者の皆様におかれましては、厳しい状況が続きますが、受けることができる施策は有効に活用しながら、この困難な局面を打開いたしましょう。
事業者向け支援策
1.持続化給付金
【概要】
新型コロナウィルスの感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対して、 事業の継続を支え、再起の糧となる、事業全般に広く使える給付金を支給する制度
【対象者】
中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者
【要件】
新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している方
【給付額】
前年の総売上(事業収入) — (前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)
※法人は200万円、個人事業者は100万円を上限に支給
【問い合わせ先】
中小企業金融・給付金相談窓口(03-3501-1544)
2.雇用調整助成金
【概要】
経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度
【対象者】
事業者
【要件】
新型コロナウイルス感染症の影響により売上が5%下がった事業者
【助成率】
休業手当に要した費用の大企業は2/3、中小企業は4/5
解雇等を行わない場合は大企業は3/4、中小企業は9/10
【申請先】
最寄りの都道府県労働局
※雇用調整助成金については4月10日に厚生労働省から、
・申請書の記載事項の約5割削減
・残業相殺制度の当面停止、残業時間の記載を不要に
・自動計算機能付き様式の導入により記載事項を大幅に削減
等の申請を簡素化し、手続きを事業者が進めやすくする措置が取られました。
添付書類の削減では、資本額の確認の「履歴事項全部証明書」等を廃止、休業協定書の労働者個人ごとの「委任状」を廃止、賃金総額の確認のための「確定保険料申告書」が廃止されました。
また、添付書類は既存書類で可能とし、生産指標は「売上」が分かる既存の書類で可能、出勤簿や給与台帳でなくても、手書きのシフト表や給与明細でも可能となりました。
計画届も6月30日まで、事後提出が可能となっています。
3.小学校休業等対応助成金(事業者向け)
【概要】
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇を取得させた企業を助成する制度
【対象者】
事業者
【要件】
次の①又は②の子どもの世話を行うことが必要となった労働者に対し、労働基準法上の年次有給休暇とは別途、賃金全額支給の休暇を取得させた事業主
①新型コロナウイルス感染症に関する対応として、臨時休業等をした小学校等(小学校、幼稚園、保育所、認定こども園等)に通う子ども
②新型コロナウイルスに感染した等の子どもであって、小学校等を休むことが必要な子ども
【支給額】
休暇中に支払った賃金相当額 × 10/10
【申請先】
学校等休業助成金・支援金受付センター
4.小学校休業等対応助成金(個人事業主向け)
【概要】
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子どもの世話を行うため、契約した仕事ができなくなっている子育て世代を支援するための制度
【対象者】
委託を受けて個人で仕事をする方
【要件】
次の①又は②の子どもの世話を行うことが必要となった保護者であって、「個人で就業する予定であった場合」又は「業務委託契約等に基づく業務遂行等に対して報酬が支払われており、発注者から一定の指定を受けているなどの場合」の要件を満たす方
①新型コロナウイルス感染症に関する対応として、臨時休業等をした小学校等(小学校、幼稚園、保育所、認定こども園等)に通う子ども
②新型コロナウイルスに感染した等の子どもであって、小学校等を休むことが必要な子ども
【支給額】
1日当たり4,100円
【申請先】
学校等休業助成金・支援金受付センター
5.働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
【概要】
新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークの新規導入に取り組む中小企業事業主を支援するための制度
【対象者】
中小企業事業主
【要件】
2020年2月17日~5月31日にテレワークを新規で導入し、実際に実施した労働者が1人以上いること
【支給額】
対象経費の合計額 × 1/2(100 万 円 が 上 限 )
【申請先】
テレワーク相談センター
6.固定資産税等の軽減
【概要】
中小企業・小規模事業者の税負担を軽減するため、事業者の保有する設備や建物等の2021年度の固定資産税及び都市計画税を、売上の減少幅に応じて軽減する制度
【対象者】
事業者
【要件】
2020年2月~10月までの 任意の3ヶ月間の売上高が前年同期比で減少していること
【減免率】
売上減少が30%以上50%未満 : 2分の1
売上減少が50%以上 : 全額
【問い合わせ先】
中小企業庁 経営支援部 技術・経営革新課
個人向け支援
7.生活支援臨時給付金 特別定額給付金
※4月20日、この一部の世帯に30万円給付する生活支援臨時給付金は全国民一律に10万円を給付する制度に変更され、補正予算の組み換えが行われました。10万円給付の概要は以下の内容で予定されています。
【対象】
所得制限は設けず、住民基本台帳に記載されているすべての人
(国籍を問わず、3か月を超える在留資格などを持ち、住民票を届け出ている外国人も対象になる予定)
【支給方法】
市町村から送られてくる申請書に世帯主が金融機関の口座番号などを記入し返送すると、申請した口座に家族分をまとめて振込みする予定
予算の組み換えにより4月中に成立が見込まれていた補正予算の成立の時期も伸びることが予想されるため、支給は早くて5月末ごろでしょうか。
【概要】
一定の水準まで所得が減少した世帯の生活支援のために現金を一時的に支給する制度
【対象者】
個人
【要件】
(1)2月以降の月間収入が1月以前と比べて減少し、年収換算で個人住民税非課税の水準まで落ち込む場合
又は
(2)2月以降の月間収入が1月以前と比べ、半分以下に減少し、個人住民税非課税水準の2倍以下の場合
※申請・審査手続の簡便化のため、世帯主(給与所得者)の月間収入が下記の基準額以下であれば、級地区分にかかわらず住民税非課税水準であるとみなす。
扶養親族等なし(単身世帯) 10万円扶養親族等1人 15万円扶養親族等2人 20万円扶養親族等3人 25万円
(注1)扶養親族等とは、扶養親族及び同一生計配偶者を指す。
(注2)扶養親族等の4人目以降は、基準額を1人当たり5万円加算。
【給付額】
1世帯当たり30万円
【申請先】
市区町村
8.児童手当の上乗せ
【概要】
子育て世帯を支援するための制度
【対象】
児童手当の受給世帯
【要件】
所得制限の限度額以上の収入があり、現在、特例給付として月額5千円を受け取っている人は対象外(例えば世帯のなかでも最も年収が高い人の年収が960万円未満(夫婦と子ども2人の場合)の世帯)
【給付額】
子ども1人当たり1万円を6月支給分で上乗せ
9.各種納付の猶予
その他新型コロナウィルスの影響により各種公租公課の納付が困難となった場合には申請等をすることにより、次の公租公課の納付や支払いが猶予されることがあります。
・法人税、消費税、所得税等の国税
・住民税等の地方税
・厚生年金保険料
・健康保険料
・国民健康保険料
・後期高齢者医療制度
・介護保険