仮想通貨って税金がかかるの?
今回は仮想通貨にまつわる税金についてご紹介させていただきます。みなさんは仮想通貨に関してどのような場合に税金がかかるかご存知でしょうか?取引して利益が生じた場合だけでしょうか?実は仮想通貨は売却した場合だけでなく、その他複数のケースで課税さるる場合があります。
1、仮想通貨を売却した場合
まず最初の課税されるケースは仮想通貨を売却した場合です。一般的には取引所で売買されるケースが想定されますが、個人間で売買し(相対取引)利益が出た場合でも税金が生じます。
例えば2月1日に50万円で1ビットコインを購入、その後10月1日に1ビットコイン=100万円に値上がりした際に、0.5ビットコインを50万円で売却した場合は以下の金額に対して税金が課税されることとなります。
→50万円 -(50万円×0.5/1ビットコイン)=25万円
【売却価格】 【取得価格】 【利益金額】
売却価格と取得価格の差額が利益金額となり、25万円に対して課税されます。
また、細かい話ですが購入時に取引所に対して支払った手数料は取得価額に含めて計算します。
2、仮想通貨で商品を購入した場合
次の課税されるケースは仮想通貨で商品を購入した場合です。ヨドバシカメラなどではビットコインでの決済が採用されていますが、例えば3月1日に60万円で1ビットコインを購入、その後10月1日に1ビットコイン=100万円に値上がりした際に、0.5ビットコインで50万円のPCを購入した場合は以下の金額に対して税金が課税されることとなります。
→50万円 -(60万円×0.5/1ビットコイン)=20万円
【商品価格】 【取得価格】 【利益金額】
使用時点での商品価格(消費税込み)と取得価格との差額が利益金額となり、20万円に対して課税されます。
商品を購入するたびに税金の計算が生じることとなりますので、現状では決済手段としての利用はかなり不便な状況だと思います。
3、仮想通貨と仮想通貨を交換した場合
次のケースは仮想通貨と仮想通貨を交換した場合です。取引所で購入したビットコインでイーサリアムやリップルを購入するケースが該当します。例えば4月1日に70万円で1ビットコインを購入、その後10月1日に1ビットコイン=100万円に値上がりした際に、0.5ビットコインをイーサリアムと交換した場合は以下の金額に対して税金が課税されることとなります。
→50万円 -(70万円×0.5/1ビットコイン)=15万円
【他の仮想通貨の時価】 【取得価格】 【利益金額】
交換時点での他の仮想通貨の時価(購入価格)と取得価格との差額が利益金額となり、40万円に対して課税されます。
4、仮想通貨をマイニングにより取得した場合
次にマイニングで取得した場合です。現状では我々個人がビットコインをマイニングで取得することはほぼ不可能かと思いますが、マイニングで仮想通貨を取得した場合は、以下の金額に対して税金が課税されることとなります。
→取得した時点の仮想通貨の時価×仮想通貨の量‐電気代等マイニングに要した費用
5、仮想通貨の分裂(分岐)により仮想通貨を取得した場合
分裂(分岐)により仮想通貨を取得した場合、とはハードフォークにより新たな通貨が付与される場合を指します。この場合は税金は課税されません。直近の例だとBCHがハードフォークしBCHSVが付与されましたが、この付与に対してももちろん税金は課税されません。これは、ハードフォーク時点においては取引相場が存在していないため、価値がないものを取得した、という考え方に基づきます。
ただし、ハードフォークにより取得した通貨を売却した場合は売却で得た金額全てが課税対象となります。
このように仮想通貨が課税されるケースは多岐にわたり、税金計算が非常に煩雑になります。決済手段としての普及や、ブロックチェーン技術を促進するために裏表の関係にある仮想通貨そのものの普及を促進するためには、例えば少額の決済に利用した際には課税されないようにする、仮想通貨同士の交換に対しては課税されないようにする、等の税制の改正が必要であるように思います。